グループシナジ―

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物流を変えれば、地域はもっと強くなる。那須塩原におけるルート再編成の事例。

 


菊地市郎商店
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小岩井フードサービス

物流連携によるコスト最適化とオペレーション改善の取り組み


■高騰する配送コスト

那須塩原市を拠点とする食品関連事業者、小岩井フードサービス(乳製品卸業)および菊地市郎商店(麵の製造と販売)は、近年の燃料費高騰や人件費上昇の影響を受け、月次の配送コストが経営を圧迫する水準にまで達しつつあるという共通課題を抱えておりました。特に地方都市圏においては、広域への配送対応が避けられず、個社単位での物流運用には限界が見え始めていた状況です。

■地域パートナーとしてルートを再編成

このような背景のもと、両社はグループインをきっかけに地域パートナーとして協業可能な関係性を活かし、物流体制の見直しと最適化に向けた共同検討を開始。まずは各社の配送ルートや配送頻度を詳細に精査し、同一エリアへの重複ルートが存在することを把握。そこから共同配送の可能性を探るとともに、近隣店舗への配送と遠方への配送を互いに分担し合う仕組みを構築しました。

この配送ルートの再編成により、ルートの集約と車両・人員の最適配置が実現。結果として、各社の月次配送コストは大幅に改善されただけでなく、ドライバーの稼働時間の平準化や、過剰設備・人件費の見直しにもつながりました。また、これまで各納品先へ個別に行っていた分散納品から「センター納品」への移行も一部実現され、拠点単位での受け入れ体制を効率化できたことも重要な成果の一つです。

■今回の取り組みから考えられること

本取り組みは、単なるコスト削減にとどまらず、地域内における物流の持続可能性や、人的リソースの適正化といった中長期的な経営基盤の強化に資するモデルケースであると位置づけています。今後は、本事例を起点とし、同様の課題を抱える近隣事業者への展開・スキーム共有を視野に入れ、地域全体でのオペレーション最適化へとつなげていく所存です。

テイクオーバーグループでは、今後も「横の連携による経営課題の解決」をキーワードに、グループ内外を問わず持続可能な成長と地域経済の健全化を図る取り組みを推進してまいります。


■株式会社テイクオーバーについて

「価値ある事業をなくさない」をコンセプトに、日本全国における中小企業の事業承継問題に真正面から取り組む、承継支援・経営再生会社です。後継者不在や経営の停滞により存続が危ぶまれる企業を対象に、実質的な承継・再生の実行者として介入し、企業価値の維持・向上、ひいては地域経済の活性化に資することを目的としています。承継後は再生チームが経営を担う当事者として、グループの知見や人材・資本力を用いて、企業が本来持つ潜在的な価値を引き出し、持続的な成長へと導きます。価値ある企業を一つでも多く、後世に繋いでいく。そのひとつの想いで、今後も活動を続けてまいります。

〈事業内容〉
飲食、食品製造、ペット、アパレル事業等
中小企業の株式の取得による事業承継
経営体制の再編・組織強化支援
営業・販売戦略、バックオフィスの構造改革
グループ間シナジーの創出による成長加速