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【わ蔵】ここからは「自分のやるべきこと」に集中できる
有限会社ミューの矢嶋 淳一氏に事業承継インタビューを行いました。
(写真)矢嶋 淳一氏
-人気の博多とんこつ拉麵屋「わ蔵」はどんなお店でしょうか?
わ蔵は、博多中洲で生まれた味を伝承し本格手作り博多拉麺を皆様に味わって頂くお店です。キャナルシティ博多ラーメンスタジアム・お台場ラーメン国技館などで優勝した経験があり、100時間仕込みの本格博多とんこつスープと国産小麦の超極細麺が特徴です。現在は都内に5店舗(板橋・歌舞伎町・中目黒・御徒町・六本木)を構えています。
-こだわりがすごいですね。特に忙しかった時期はありましたか?
お台場に出店した際は、1日に1000杯以上お客様に召し上がっていただきました。ただ近くにマンションを借りたのですが、そこにも帰れない程、忙しかったです。 営業中はひたすら拉麺を作り、閉店後はひたすら仕込み…。ほとんど寝ずに数ヶ月やってたら救急車で運ばれました(笑) 今となれば本当にいい経験で楽しかったので、笑い話です。健康は大切ですね。
(写真)特選らーめん
-お身体には気を付けてくださいね。M&Aを意識したきっかけはどのようなものでしたか?
会社の課題として「良い人材の確保」が常にありました。良い物件が出たのに、任せられる人材がいなく見送ったことも何度もあります。そのような中で、先代社長の意向としてM&Aを視野に入れていると聞きました。わたしはM&Aに対して、あまり良い印象を持っていなかった部分も正直ありました。しかし、いろいろ調べてみるにつれて良いM&Aもあるんだと知りました。本当に良い方と出会えたら…共に素敵な未来を築けていける方と出会えたら…と次第に考えるようになりました。
-いい印象をお持ちでない方や悩まれる方も多くいらっしゃると思います。テイクオーバー社に決めた理由は何ですか?
率直に山崎さんの人柄です。うちのコンセプトで『らーめんは 豚ガラ 鶏ガラ 実は人柄』というのがあるのですが、まさにこの方とだったらうまくやっていけると思えた。また、経営理念の『価値ある事業をなくさない』という言葉にも感銘を受けました!
-ありがとうございます。実際に譲渡後の会社の状況はいかがでしょうか?
壁にぶつかった時に相談にのっていただいたり、サポートしていただけるので有り難いです。経営などにスペシャリストな方たちがついていてくれているということは非常に心強いです!一方で私自身は譲渡後は自由にやらせていただいて、「自分のやるべきこと」に集中出来ます。
(写真)新規出店した六本木店
-わ蔵を今後どんな会社にしていきたいですか?
らーめんは日本の代表食であり、なくなることはないと思います。食文化の柱として拉麵がもっともっと注目され、多様化もどんどん進んでいく。その中で、昔ながらの作り方を伝承していく進み方も大切だと感じています。また社員の半数は約20年うちで働いてくれている、もう半数は途中入社で、元八百屋・とんかつ屋・違うらーめん屋など、新しい風を運んでくれているのでこれからも良い化学変化・融合をどんどんしていって、面白いものを創り出していって欲しいです。
-最後に
中学の同級生、大学の時はずーっといっしょにいた友人が途中でうちに入社して、いっしょに頑張っていたのですが…ほんの少しのすれ違いから仲違いしてしまい、そのまま退社となりました。会社を良くしたら呼び戻そうと心に決め、必死にやってたのですが、言葉を交わすこともなくそのまま亡くなってしまったと聞きました。ずーっと後悔しています。共に会社を大きくしていく夢は絶たれましたが、ずっと見ていると思います。恥ずかしくないよう、笑われぬよう、目の前の問題を一つずつクリアしていき、夢に向かって一歩一歩進んでいく。自分を慕って入社してくれた従業員たちが、うちに入って良かったぁーと思ってもらえる会社を必ず作る。
小学校の時に『らーめん屋さんになりたい』という作文を書いたので、この人生が運命だったかと思います。信念をもって、負けずに頑張っていこうと思います。