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【ライフタイムバリュー】仕事が増えていく喜びを改めて感じることができた
合同会社ライフタイム・バリューの元代表の青木審司さんへインタビューを行いました。
(写真)青木審司さん
-ライフタイムバリューとはどのような会社でしょうか?
静岡県の一般家庭・高齢者・障がい者施設への食材・お弁当の配達を主に行っています。中西部、静岡市から浜松市の間を営業エリアとしていて、市場より仕入れた新鮮野菜や当日製造のお惣菜(お弁当)など、皆様の食卓を彩る献立をお届けしています。
小さなお子様のいるご家庭など買い物に行くことが難しい方、一人暮らしなどで調理するのが大変な方、施設や寮の食事など、未だ多くのニーズを感じています。
-経営をしてきた中で、印象に残っているエピソードはございますか?
静岡市で配達を初めて、主に西へ西へと伸ばし、浜松に到達したとき、売上が三倍になりました。しかし浜松営業所を開設した直後にコロナ禍となり、事業体的にはむしろ有利だったのですが、時間が経つとともに商店や美容院など小売業を営むお客様が疲弊し、離脱していきました。
重ねて電気や燃料費、仕入価格等が急騰したため、資金繰りに窮し、頭から資金のことが離れなくなってしまいました。
コロナ禍がいつ明けるのかもわからず、出口の見えないトンネルに社員一同進んでいっているイメージでした。
(写真)本社前には新鮮な食材を載せる配送車がずらりと並ぶ
-M&Aを検討したのはその頃でしょうか?またテイクオーバー社への決め手はどこにありましたか?
はい、資金的余裕がない状況化での決断でした。もう少し早く判断出来れば良かったと、今は思います。
受注も減ってきてしまっていましたが、まだこの事業には伸びる余地があると考え、「事業を残したい」と強く思っていました。
テイクオーバー社は決断が大変早く、他のM&Aの会社とは全く違った。時間のない弊社にとっては大変ありがたかったことを覚えています。
-M&Aをしてみた結果、何か変わりましたか?
正直、譲渡前は後ろ向きの後追い仕事ばかりやって、時間的余裕がまったくなかったです。
しかし今回の譲渡を経て、やっている仕事はむしろ増えているにも関わらず、不思議と何でも前向きに取り組めた。テイクオーバー社のサポートのおかげだと思います。
グループ会社というのは事業的に関連の強い会社になるのが普通だと思うが、テイクオーバーのグループは事業的な関連性が薄く、多種多様。この形は想定以上のパワーを産み出すと感じます。
(写真)本社工場ではお客様の注文に合わせた食材加工が毎朝行われる
-最後に
後継者不足問題などで、今後もM&Aは増えていくと思うが、本当の意味でその事業を活かすことができる会社は数少ない。玉石混交の中から真のM&A会社が生き残り、淘汰が進むと思います。
高齢化社会が進み、買い物難民が増えていくことが予想される中で、宅配事業は活躍の場が広がっていくと思われる。しかし、需要があったとしても判断や方向性を間違えば淘汰に巻き込まれてしまうと思います。
行き詰まっている会社でも、新しいマインドで方法を変えれば復活することは多々あると思う。テイクオーバー社にはその力があると思います。
私もできる限り、会社とグループの発展に寄与して、恩返ししたいと感じています。
■合同会社ライフタイムバリュー
2015年の創業以来、静岡市を起点に食材宅配と弁当宅配事業を展開し、独自のレシピとカタログによる多様な商品ラインナップで、一般家庭を中心に顧客基盤を拡大してきました。近年の中食市場の拡大と高齢化社会の進展を受け、静岡県西部への営業所開設や、高齢者世帯への配食型見守りサービスの受託など、事業領域を拡大。現在、静岡市・浜松市を中心に2500世帯以上の顧客を抱え、介護業界にも進出しています。オリジナルレシピによる高品質な食材と、地域に根ざしたきめ細やかなサービスが評価され、買い物難民問題の解決に貢献するなど、社会的インフラとしての役割も担っています。